
2025年6月から3ヶ月間チェコ共和国リベレツ美術館において大規模個展
「Koji Kakinumna Traveling Alone」開催
金沢21世紀現代美術館での個展開催以後
約10年ぶりの海外初の大規模個展
本展では、歴史的テルマエ建築物を現代美術館として改装したリベレツ美術館(地下1階、地上2階)全体を使い、高さ3.6m、幅10mの超大作4点と、2m級の作品10点、計14点の現代アートとして書道作品を海を越えチェコにて展示し、野外パフォーマンスも実地。
会期:2025年6月21日(土)~ 9月28日(金)
主催:チェコ共和国 リベレツ美術館
新作「なぜ生まれてきたの」W:10m / H:3.6m
新作「なぜ生まれてきたの」W:10m / H:3.6m
ご挨拶
この度、2025年6月から3ヶ月間、チェコ共和国・リベレツ美術館において、書家・アーティストである柿沼康二の個展「Koji Kakinumna Traveling Alone」を開催予定で現在制作及び準備等を進めております。
柿沼康二は、日本の文化芸術の大きな柱の一つである「書」を独自のフィルターを通し現代アートへと昇華させる革新的なアーティストです。
書家として史上初めて金沢21世紀現代美術館での個展開催(2013-2014)以後、約10年ぶりの海外初の大規模個展となります。(リベレツ:プラハから北東100 km に位置するチェコ6番目の人口10万人の都市)
10年ほど前、チェコを代表するグラフィック・デザイナー・Rostislav Vanek氏(以下、バネック氏)から柿沼作品を賞賛するメールが届き、購入依頼がありました。当時開催中のロンドンでの企画展示の後、バネック氏と交流するためにチェコ・プラハに約2週間滞在、氏の友人Dr.Filip Suchomel博士(以下、スホメル氏:当時プラハ国立美術館キューレター)を紹介されました。後日、美術館にて面会し今後のチェコでの展覧会の可能性について打ち合わせしましたが当時開催には至りませんでした。
それきりだった企画が今年2月、リベレツ美術館長となったスホメル氏よりメールにて個展開催の打診があり今回の企画に至った次第です。
チェコ・プラハは、周知のように本当に美しい街です。奇跡的に戦火に見舞われることがなくヨーロッパ主要都市に失われてしまった普遍的レガシーが姿を変えることなく残されています。その美しい景観、愛らしい工芸品などとは裏腹に、美術館に入ると10mを軽く超えるほどの荘厳な宗教絵画の作品群に圧倒されました。中央ヨーロッパにおける悠久の歴史の背景に、私にとって日本文化、書、古典と前衛、私とヨーロッパがシンクロするような不可思議な気持ちとチェコという国、その国民性にとても親近感を感じました。
帰国後、チェコでの経験や芸術感をテーマとした書作品を制作していた事を思い出し、今現在、この発表の機会に対し全力で作品を制作中、芸術を通しでできる限りの国際交流ができますことを願っています。
日本の伝統文化芸術は、ほんの一部を除き、全分野がじわじわと地盤沈下をし続けています。「書」もまさに同様、書道人口の減少はもとより、それに寄り添うように、筆、紙、墨などの質の低下、有能な職人の不足や芸術家の不在、負の連鎖を誰も止めることができないというのが実情です。
何より、日本、日本人とは何か。日本のもの作りの魂、その矜持はどこへ向かうべきなのかを問われていると思います。
私は、父をはじめ、3人の師や先達からから受け継いだ書の世界を真摯に受け止め、研鑽し、更によりよい形で未来に継承するべく自分の人生を書に捧げてきました。
今回の個展と活動を通し、未来ある子供達、将来を担う若者、書を志す全ての人、世界中の人たちに書という表現の力とその可能性を示したいと願っております。
柿沼 康二


開催概要
■ 名称:柿沼康二チェコ個展2025「Koji Kakinumna Traveling Alone」
■ 会場:チェコ共和国 リベレツ美術館
The Museum of Fine Arts in Liberec (Museum Director and Curator: Dr. Filip Suchomel)
Masarykova 723/14, 460 01 Liberec, Czech Republic
Tell: +420 485 106 325
美術館URL①: https://www.ogl.cz/en/oblastni-galerie-liberec-1
美術館URL②: https://www.galali.cz/cs/event/koji-kakinuma
Instagram: https://www.instagram.com/galerieliberec?igsh=Nmh6YnNhc2JueDRy
■ 会期:2025年6月21日(土)~ 9月28日(金)
■ 主催:チェコ共和国 リベレツ美術館
■ 運営:柿沼康二チェコ個展2025実行委員会 ※日本サイド運営
■ 協力:表装協力(株)湯山春峰堂、(有)きっく
※1月10日現在(情報は随時更新します)
開催の背景
チェコ共和国で最初の大規模な現代日本書道展が開催されたのは、鉄のカーテンが崩壊する前の1986年12月でした。当時、岡部蒼風、茂木良策、登美栄、長谷川清遠、永井成城など、日本の著名な書家の作品がチェコの観客に披露されました。それ以来、プラハや他の都市で日本の書道展がいくつか開催されましたが、一般的には伝統的な書道の手法に焦点が当てられていました。
そのため、リベレツ美術館が現代の非ヨーロッパ芸術を紹介する方法を模索していたとき、伝統につながりながらも同時に伝統的な表現方法の新しい可能性を模索している作家を代表する柿沼康二を取り上げることに決めました。柿沼の書道は、伝統を引き継ぎながらもまったく異なる道を歩んでいます。
柿沼康二氏は間違いなく日本の最も重要な書道家の一人ですが、ヨーロッパでは彼の作品を知る機会がありませんでした。まさにこの事実を、今度の展覧会は変えようとしています。
文・フィリップ・スソメル博士(リベレツ美術館長&今回展キューレター)
展覧会コンセプト
柿沼康二の創造のテーマ「永遠の今」。
“芸術の反対は、数値、競争、戦争”という概念との対決。人間が豊に生きていく上で障害となる様々な事象と如何に対峙するか。
書というフィルターを通し、過去と未来との接点「今」に柿沼の創造と生命の全てを刻み込むこと。単に“文字が読める、読めない”を超えた唯一無二の革新性や創造性、作品そして今回展の核となります。柿沼作品は、徹底した伝統的書道の技法を基盤としながらも、作品の巨大化、表現方法やメディアの大胆さなど伝統書の枠を完全に飛び越え、観る人に作家の生き様や美観、日本の道の精神をうったえかけます。
書におけるエッセンス
日本語をモチーフとする日本書道には約3500年にも及ぶ歴史や文化、芸術的背景が存在します。中国から渡来した何万もの漢字をもとにそれを完全受容するだけでなく音や形、意識を変えて日本独自の言語体系、文字表現の性質を創出してきました。文字や表現を創意工夫し、音楽の如く不可逆的一回性で生き生きとした自己表現してきたものこそが言霊、日本の「書」のふるさとです。“心から描かざるを得ない言葉を一生懸命に書く”その豊さが本当の書の魅力です。
書表現に内包された日本人の普遍的な美意識や芸術感、魅力をヨーロッパにおいて感じることができる絶好の機会となります。

作品「イマのトランス」
ミッション
書道家のみならず美術家を含め、一個人、存命の芸術家が国内のみならずヨーロッパの現代美術館で個展の開催は非常に稀です。チェコ共和リベレツ美術館で開催予定の個展では、書作品による超大作を中心に代表作や最新作約60点を通じて、世界の芸術シーンに対し新たな可能性や価値、文脈を創造し、東洋と西洋、また日本とヨーロッパの芸術の垣根を超える新たな潮流を生み出す機会となります。
展示予定作品
「 風林火山 」(NHK大河ドラマ題字)、 「 開 」(TOKYO2020 オリンピック・パラリンピック記念ポスター作品)、 「 喰 」(360-720cm)、「 なぜうまれてきたの 」(350-800cm新作、トランスワーク)、 「 ぶちぬく 」(240-2000cm テープワーク)、 「 おまえはだれだ 」、「 首 」(北野武監督作品題字)、 「 不死鳥 」、「 一 」、「 今 」、 五大「 地・水・火・風・空 」、 (多数シリーズ作品群あり)「 風神雷神 」(新作屏風作品)、 「 Untitled 」(非文字作品)、 「大型パフォーマンス作品」(インスタレーションとして3ヶ月間展示予定)
※映像作品 (専用室設置、メディア出演、ドキュメンタリー映像、ライブ映像等)他、全約60作品。
特別企画
巨大パフォーマンスの実施。展覧会期間中、現地美術館1Fフロアで柿沼康二自身が超大作(20-10m)のパフォーマンスを行い そのまま3ヶ月間フロア上に展示予定。(2Fから俯瞰の鑑賞が目的)

作品 2020オリンピックパラリンピックポスター「開」
柿沼康二プロフィール

1970年栃木県矢板市生まれ。5歳より筆を持ち、柿沼翠流(父)、手島右卿、上松一條に師事する。 東京学芸大学教育学部芸術科(書道)卒業。2006-2007年、米国プリンストン大学客員書家を務める。「書はアートたるか、己はアーティストたるか」の命題に挑戦し続け、伝統的な書の技術と前衛的な精神による独自のスタイルは、 書という概念を超越し「書を現代アートまで昇華させた」と国内外で高い評価を得る。2020東京オリンピック・パラリンピック公式アートポスターを担当。 2013-2014年、現代美術館において存命書家史上初となる個展を金沢21世紀美術館にて開催。http://www.kojikakinuma.com/profile-short/
2012年春の東久邇宮文化褒賞、第1回矢板市市民栄誉賞、第4回手島右卿賞、独立書展特選、独立書人団50周年記念大作賞、毎日書道展毎日賞(2回)、文化庁公益信託第6回国井誠海賞、等受賞歴多数。NHK大河ドラマ「風林火山」(2007)、北野武監督映画「アキレスと亀」「首」、角川映画「最後の忠臣蔵」等の題字の他、「九州大学」「九州大学病院」名盤用作品等を揮毫。 NHK「トップランナー」 「趣味Do楽 柿沼康二 オレ流 書の冒険」「ようこそ先輩課外授業」「スタジオパークからこんにちは」、MBS「情熱大陸」、日テレ「心ゆさぶれ! 先輩ROCK YOU」、 BOSE社CM、NIKE原宿PV等に出演。http://www.kojikakinuma.com/history/
アート スポンサー(ご協賛 概要)
ファミリーA
アートスポンサー
- SNSへの広告掲載
- チェコ個展特設サイトへの広告掲載
- 公式動画への名称掲載
返礼品:書作品(提供)
A.コレクション作品提供「明日」or「翔」(1点)
・ごコレクション作品(額付き)をご提供させていただきます。
ファミリーB
アートスポンサー
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- チェコ個展特設サイトへの広告掲載
- 公式動画への名称掲載
返礼品:書作品(提供)
B.コレクション作品提供「月」(1点)
・コレクション作品(額付き)をご提供させていただきます。
(金沢21世紀美術館展示作品)
ファミリーC
アートスポンサー
- SNSへの広告掲載
- チェコ個展特設サイトへの広告掲載
- 公式動画への名称掲載
返礼品:書作品(提供)
C.新作品提供 「色紙」(1点)
・チェコ個展記念色紙(額付き)をご提供させていただきます。
※柿沼康二は色紙を滅多に書きません。